最近の客は耐震性耐震性うるさい。
いや昔からか。
いきなり取り乱してしまい申し訳ございません。
不徳の致すところでございます。
でも実際気にしなくていいことってあるんですよ。
耐震性は大事ですが、皆様方気にしすぎです。もっとラフで良いんです。
この記事は耐震性の本質をバッサリ語る記事です。
日本の家は素のままで地震に強い
日本は地震大国。
震度6クラスの地震がこれでもかってくらい起きているんですが、ここで質問。
地震単独の被害で街が崩落している映像って最近見たことありますか?
ほとんど話題にもならず2,3日で風化しますよね。2019年初頭にも熊本で6クラスの地震がありましたが、ほとんど話題になることなく終わりました。
そう、ないんですよ。新しい家って壊れないんです。
これが絶対的前提です。
今の日本の住宅は建築基準法で定められている構造の時点でほとんどの地震に耐えられます。メーカー独自のスーパー耐震装置みたいなのはだいたいおまけです。
よく考えてみてください。メーカーの耐震性レベル差で家が壊れる壊れないがあるなら、毎度毎度もっと物凄い大きな事故映像がないとおかしいんです。それこそ安い簡素な家なんて滅茶苦茶な数建ってますから。
それでも全壊は少ない。壊れるのは極わずかな不運な立地にあった家と、昔からある家くらい。耐震偽装で15年くらい前に大問題になった某一級建築士の建築物件も実は壊れてないそうです。頑丈ですね。
もちろんないよりはあった方がいいですよ。
裸体のままで強いとしても、装備は欲しくなるのが人間の性。どんなにレベルが高くても無傷になるレベルの防具は装備させておきたい。
なので、何かしらあるメーカーを選んだ方が安全なのは事実です。でも絶対必要ってわけじゃないんです。
不要なオーバースペック耐震
今の多くのメーカーは、耐震性の限界突破を起こしている状態です。
つまりありえない地震に耐えられるものを実験で作ってます。
例えばこう。
「今のままでも震度7に耐えられる!次は震度10が来た時にも大丈夫な家にしよう!」
来ねーよ。
いや震度7が完璧に防げればまず問題ないでしょう。机上の空論でも震度8想定で十分、それ以上なんて本気で無駄です。
これは1つの例え話ですが、やっていることはこういうことです。
そんなもんを研究開発して、不要な物をお客に売りつけて何百万単位の高い金を払わせてたりしますよ。どうだこれが住宅業界だ。
でも皆さん「耐震性」という言葉に弱いから、どこのメーカーも耐震性にはこだわります。A社より強力なB社を上回る業界最高のC社よりうちは上です!そういう戦いをしているわけですね。
だからどこのメーカーの営業マンも自分のとこの耐震性には本気で自信を持ってると思いますよ。絶対大丈夫で壊れないものを、だいたいのメーカーが独自に持ってますから。
性能的には不要ですが、売るためには必要なんです。
売るためだけの性能上乗せなんです。オーバースペック。何の意味があるんでしょうね。
ちなみにそういうものの研究開発費は利益から捻出するので坪単価が上がってまーす。闇が深いでーす。
もちろんそういう企業努力とか、日本の技術の結晶とかを否定するつもりはありません。やればやるほどクオリティは向上して行きますし、それは巡り巡って色んなものの役に立って行くことでしょう。
でもそのために一般人たる皆さんがお金を余計に払う必要ありますか?それで手に入るものってなんですか?
知って投資するなら良いですが、知らずに持ってかれるのは搾取です。そこの違いは理解した上で、耐震性というものについて考えてみてほしいですね。
まとめ
住宅というものは衣食住と言われるくらい生きるのに欠かせないものなのに、その実態は素人にはとても分かり辛い業界。だから日本では耐震性というのが誰でも分かる大きなポイントとして使われます。
日本の住宅は世界に比べて劣っていると言われがちなんですが、こと耐震性に関しては最強クラス。地震の少ないヨーロッパ諸国の家は震度5とかで崩落しますからね。全然違います。
逆にイタリアのように何百年も前から建ってる伝統建築物を活かし続けるノウハウは日本では育たないですし、ロシアのような寒冷地域の断熱・防寒性というのを日本で実現するのも現実的ではない。
住宅というのはその土地の風土に合った性能のものができるのです。だから日本の住宅は何もしなくても地震には強い。さらに強くしすぎる必要はないわけです。
拳で殴り合う喧嘩に際して、防具を用意するとしたら鎧1枚着れば十分です。
鎧を重ね着して、盾と兜を持つほど完全防御するお金があったら、是非別のことに使ってください。
そういう話でした。