ブラック業界

住宅メーカーが無料で何でもやればやるほど「お客さんが損してる」って知ってた?

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住宅メーカーはボランティアじゃないのですが、ボランティアみたいな仕事を強いられる仕事です。

単価が高いので高利少売とでも言いましょうか。
10組のお客さんが来たら1組契約になって家を建ててくればOKという業界。

なので、9組のお客さんを捨てる覚悟で1組のお客さんを取りに行きます。そのためにはお客さんにまず来てもらわないと話にならないので何でもやります。

モデルハウスに来てくれるだけで1000円~2000円程度の粗品をプレゼントしたりは当たり前。今やプラン提案や見積提出まで無料で何度もやって、結局他社に決まる…なんてことが日常茶飯事な業界です。

そこまでに膨大な経費がかかってます。
が、それをお客さんから請求できません。
無料でやりますって言ってますからね。言いたくないんですけどね。

何度も接客して、幾つもプレゼントした挙句成約できないと、それまでやってきた全ての業務が無駄になります。物凄い堪えます。なのでそういうことがあると物凄い勢いで怒られることもあります。いやこっちだってショック受けてるんですけど~?

目先の利益のために何でも無料にしてしまったツケ

昔はプラン提案とか見積提出とか有料でやっていた時代もあるそうなのです。

それがどこかのメーカーが「無料提案!」を打ち出し始めてしまった。

こうなってくると「無料でやってくれるなら…」というメーカーにお客が流れますから、どこのメーカーも無料対応せざるを得なくなります。物の値段は下げられませんが、サービスの価値は幾らでも下げられます。技術の大安売りです。これだから日本はクソ。

そうして住宅業界のデフレスパイラルは底を掘り続け、今では何でもかんでも無料で丁寧に行う時代になってしまったのです。恐いですねホラーですね。

だって「プラン提案させてくれたらプレゼントを差し上げます!」なんて言っているメーカーもあるんですよ?いやなんで仕事した方が金払わないといかんねん。流石に冗談きつすぎるだろ。合わせる身にもなれ。

こういうのって独占禁止法とかで何とかできないんですかね?住宅ローンの金利なんかもそうですが、サービス料的なものは下げ合戦になると各社死の直前まで下げまくってから「これ以上は下げられない」というラインで初めて独占禁止法的な話が出てくるみたいなんですよ。どうしてこうなるまで放っておいたんだ?

言わば今の状況は目先の利益欲しさに何でも無料にしてしまったツケです。それを今の住宅業界は皆で背負って苦しんでいる状態です。

ん?なんですか?
でも「買う側にとっては良い話ばかりではないですか」って?

いやいやそんな単純なお話でもないのです。

買ってくれたお客さんが業界の負債の全てを支払っている現状

無料でやった経費を返してくれる人はいないんですが、使った経費はどこかで回収しなければなりません。

どこかってどこさ?買ってくれたお客さんです。
経費というのは利益部分から発生するものですから、購入してくれた人のお金から捻出する他ありません。だから極端な話、10組中1組しか決められないのであれば、残り9組にかかった経費も契約した1組のご家族に払ってもらわなければなりません。

無料でやる範囲が増えれば増えるほどその負担は増えて行くという結果に。
だから実は、「無料だから」と言って何社も何社もメーカーを見て回る人達のせいで、家を買う人達の負担はどんどん増えています。吟味して即決した人が尻ぬぐいをしているというのが現状なんです。

もちろん元を辿れば「無料でやる」と言い出したメーカー側に問題があるのですが、無料だからと何でもその恩恵を受けようとする人達も問題がないとは言えないんですよね。それで自分のとこに決めてくれた人は全然良いんですが、そうじゃない人は全員嫌いですね。あー嫌い。憎悪の対象です。恨まれても文句言えません。

こういう話をしても「いやいやお客さんからその分を巻き上げるなんておかしい。自分たちで何とかしろ」と言いたげな方もいるかもしれませんね。

でも正直どこのメーカーもやってると思いますよ。リストラで人件費を削ったり、残業代を満額出さずにブラック労働を強いていたり、下請けを叩いてブラック労働を強いていたり、ギリギリまで経費の削減に打って出てると思います。誤った方法でね。

それをやれば従業員の士気は落ちますし、精神的苦痛が大きすぎる上に、上からはドヤされるし、まともな人材が残る環境にありません。結果としてどんどん住宅メーカーというのはクズの吹き溜まりになって行きます。笑えないですよ。

あとは値上げするわけには行かないから商品の仕様を落としたり、見えないところで手抜きしているかもしれないですね。

お菓子なんかも昔より値上げしたものと値段据え置きで大きさが縮んだものがあると思いますが、どこかが劣化はしてますよね。住宅でも同じことが起きていても不思議ではないんですよ。

こういうことが起こっている状態で「無料の範囲が拡がったからお客さんは得している」って言えますか?

私は言えないと思います。むしろ皆で揃ってラッキー!と思いながら損を大きくしているのです。滑稽ですね。

少しでも契約にならなかったお客さんからお金を取れる仕組みがあれば、全然違うと思うんですけどね。もうそういうことはできない世の中なんでしょうね。残念だ。

まとめ

世の中には上辺の値段や条件だけを血眼になって求める人が多すぎます。

だからメーカーも上辺だけ得するような施策を巡らせて、裏の分からないところでお客さんに不利益が出るような方法を取って帳尻合わせをしているというわけです。

これは別に住宅業界に限った話ではなく、どこに行っても同じだと思いますけどね。だってそうしないと「ケチ」とか言われて土俵に上げてもらえないんですもん。土俵に上がったら反則でも何でもして勝てば良かろうなのですよ。そうやって利益を取っているところが大半です。

そうやってきた結果、誰もが嫌な思いをしやすい形で物事を回すのが常態化してしまっている。どこもかしも嫌だ嫌だと思いながら何も言えずにそれを頑張って維持してるんです。嫌な社会ですねぇ。

根本的に物事の仕組みを理解できる人がもっと増えれば、こういうことも無くなるのかなと思ったりはするんですけどね。

そんな日が来るのは私達が引退した後とかでしょう。
早く良い世の中になってほしいものでうす。

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